鋳物辞典【鋳造作業法について】

第11章 塗装材


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●注湯の際鋳型の表面が溶湯の熱にさらされ、破壊されやすい状態になる。この状態を防ぐため、鋳型の表面に種々の塗装を行なう。この塗装することを塗型という。又この材料を塗型剤という。塗型剤は、耐熱性、附着性、被覆性、通気性、反応性、粘性、さらに鋳肌を美しくするものでなければならない。塗型剤には黒鉛、木炭粉、雲母粉、コークス粉、シリコーン、ジルコンフラワー等あるが鋳鉄鋳物用としては黒鉛、シリコーン、ジルコンフラワーである。

第1節 黒鉛

黒鉛には大別して土壌黒鉛と鱗状黒鉛の2種があり、いづれも実用されている。塗型には黒鉛それ自体単独で用いる場合と、粘土水や糖蜜などと混合して用いる場合とがある。
しかしいかなる場合でも含有成分が大切で固定炭素が多く灰分の少ないもの程よく表8.1.1に黒鉛の規格を示す。粒度は粘土水その他補助材を添加するときは150〜200メッシュ程度がよい。黒鉛を単独で使用するときは200〜270メッシュ程度がよい。
黒鉛を単独で用いるときはほとんど生型に限られ、生型にスプレーガンにて少量の水をスプレーしてから刷毛にて表面に塗り付ける。
他方粘土水や糖密を混合して用いられるのは乾燥型の場合が多い。一般に肉厚、鋳込温度により塗型剤の配合を変える。一般には刷毛塗りをするが、スプレーガンを用いる工場も多くなった。

表8.1.1黒鉛の規格
種類 固定炭素 灰分 揮発分 減耗量
鱗状1種 70%以上 25%以下 4.0%以下 30%以下
〃2種 65%〃 25%〃 4.5%〃 35%〃
鱗状1種 60%〃 60%〃 5.0%〃 40%〃
鱗状1種 75%〃 20%〃 5.0%〃 40%〃
鱗状1種 70%〃 25%〃 5.0%〃 40%〃


第2節 木炭粉

塗型剤に使用する木炭粉は、木炭を水中で砕いたものを用い、これを黒味と称する。木炭の種類では種々の木でつくった木炭があるが、その内でも松炭が最もよく、こわれ易い炭が適する。木炭粉の規格を表8.2.2に示す。粒度は水中で100メッシュ篩を全量通過しなければならない。
木岩も灰分が少なく固定炭素や揮発分の多いものがよい。塗型剤は黒鉛と同様に単独かあるいは粘土水などと混合して刷毛塗りが多く行われる。又木炭塗型は最近鋳鉄にはあまり使用されなくなりほとんど銅合金に使用されている。

表8.2.2
  固定炭素 灰分 揮発分 水分
木炭粉 60%以上 20%以下 20%以下 30%以下


第3節 雲母粉(キラ粉)

俗にキラと呼ばれるもので滑石(3Mg0,4SiO,HO)を粉末にしたものが多く用いられる。他に蛇紋石(3Mg0,2SiO,HO)の粉末がある。使用するときは粗めの袋に適当量を入れ、軽くたたいて布目から出る微粉を鋳型の表面に振りかける。また主型、中子いずれも刷毛塗りを行なうこともある。最近では比較的吹かれが多いため使用する工場が少なくなった。


第4節 コークス粉

コークス粉はパンミルで黒鉛、木炭粉、粘土水等と共に混練し黒鉛塗型剤として使用する。しかし塗型よりも崩壊剤として多く使用されている。

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